かつて東京には滋賀県の飛び地がありました。
1633年(寛永10年)に、江戸屋敷賄料として井伊家の「彦根藩世田谷領」となった現在の東京都世田谷区の一部。
1871年(明治4年)の廃藩置県の時に「彦根県」となり、その後「長浜県」に統合された後、1872年(明治5年)に、東京府と神奈川県に移管され、その後、神奈川県に移管された土地も東京になることになり、その飛び地は、完全に消滅しましたのですが、一時的にでも東京に滋賀の飛び地があったということに驚きです。
さて、今日は、そんなかつて滋賀の飛び地であった東京都世田谷区にある招き猫のお寺「豪徳寺」について紹介します。
豪徳寺駅
小田急線の豪徳寺駅です。
豪徳寺への最寄り駅は、実は、この豪徳寺駅ではなく、世田谷線宮の坂駅なのですが、駅前に招き猫の像がいたり、道中に招き猫の装飾が見られたりするので、豪徳寺駅から向かわれることをおすすめします。豪徳寺駅からは豪徳寺へは、徒歩15分の距離です。
ただ、世田谷線の電車で「幸福の招き猫電車」が運行していますので、そちらを狙って乗られるというのもおすすめです。その場合は、豪徳寺駅ではなく、宮の坂駅を利用ください。
【ニュースリリース】「幸福の招き猫電車」復活を含む「世田谷線50周年企画」の詳細をリリースしました。なお、画像は、前回の「幸福の招き猫電車」です。
ニュースリリースはこちらです。(I)
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◯幸福の招き猫電車の時刻表を見る
豪徳寺はインバウンドに人気
豪徳寺駅には、豪徳寺への案内表示がありましたが、日本語版はなく、英語版のみが掲示されているところを見ると、インバウンドの方に人気なのでしょうか。
豪徳寺駅前の招き猫
改札を出たところには、早速、招き猫の像がありました。
平成22年(2010年)にまちのシンボルとして設置されたようです。
豪徳寺までの道中にいる招き猫
豪徳寺駅から豪徳寺までの道中には、装飾に招き猫を取り入れているお店がちらほらありました。
お店の前のベンチに招き猫が置かれていますね。
豪徳寺の入り口
豪徳寺へは、THE観光地です!っていう感じの道ではなく、かなり普通の住宅街を通って向かうので、ちょっと迷ってしまうかもです。
そして、豪徳寺駅から歩いて先にたどり着くのは、裏門です。
裏門にも案内がありますが、入り口にたどり着くには、写真の図のように回り込む必要があります。
裏門から塀沿いに右折して約400メートル行くと山門(入り口)があると書かれています。
地図でも案内してくださっているので、わかりやすいです。
豪徳寺の招き猫が置いてある場所には、施設案内図にも招き猫のイラストが描かれていました。
こちらの道をずっと行って、右折すると入り口に到着します。
道の入口に気になるものを見つけてしまいました。
電信柱に描かれた猫の絵と、豪徳寺の山門(入り口)の案内でした。
ゆるい猫のイラストが可愛くていいなぁと思いましたが、公式のものではなく、落書きなんだとしたら、それはちょっといかんよと(><)/
ちなみに、山門までの途中には、東門があります。
その東門の屋根には井伊家の旗印と家紋が見られました。左の「井」の形のものが、井伊家の旗印である「井桁(いげた)」で、右の丸い形のものが、井伊家の家紋の「橘紋(たちばなもん)」です。
豪徳寺
豪徳寺の山門(入り口)に着きました。
少し見にくいですが、こちらの山門にも井伊家の旗印や家紋が見られますね。
井伊直弼のお墓
豪徳寺は、彦根藩藩主で安政の大獄で有名な井伊直弼のお墓のある場所でもあります。
狛犬
入り口を入ってすぐのところには、狛犬がいましたが、その狛犬の台座にも井伊家の家紋がありました。
絵馬
豪徳寺は、招き猫のお寺です。そのため、絵馬も招き猫の絵が描かれていました。写真左の絵馬は、2019年の干支のねずみになっています。猫とねずみのコラボがちょうどという感じです。
2018年の猪バージョンの絵馬もありました。
招き猫の像
豪徳寺の敷地内にも招き猫が設置してある場所についての案内がありました。
あと、これまで特に考えたこともなかったのですが、招き猫は、英語で「ラッキーキャット」と言うんですね。この表示を見て思いました。
案内表示の場所に向かうと、渋谷のハチ公みたく、招き猫の像がありました。
招き猫は、どちらの手を上げているかによって、招くものが異なるのですが、右手が金運を、左手が人を招くとされているのだそうです。
この招き猫の像は、令和2年(2020年)2月に設置されたようです。
三重塔に隠れている招き猫
豪徳寺には、三重塔もあります。
この三重塔には、実は、よく見ると、塔の各階に招き猫がいたりします。少し見にくいですが、こちらの写真の中にも上の方に1体と下の方に1体の招き猫が写っています。
大量の招き猫が見られる奉納所
豪徳寺の一番の見どころの1つは、こちらの奉納所です。
どこにいるのかと探していると、まず灯籠のところにいた小さい招き猫をたくさん見つけました!
めがねをかけている招き猫がいたり、
ソーシャルディスタンスを保って、等間隔に置かれている招き猫がいたりと、とても可愛いです。
灯籠は、少し離れて見ると、こんな感じになっています。
ちょっと大きいサイズのものに対して小さいサイズの招き猫は、目が点になっています。つぶらな瞳が可愛いです。
奉納所に奉納できる招き猫のサイズは、全部で6サイズです。こちらにその6サイズの招き猫が展示してありました。
奉納所をさらに見学していると、奥には、驚愕の光景が広がっていました!!
灯籠のところではしゃいでたレベルじゃないくらいの数の招き猫がいました!
ねこ、ねこ、ねこ。
ねこ、ねこ、ねこです!!
豪徳寺が招き猫のお寺になった理由
豪徳寺が招き猫のお寺になった理由は、今の滋賀県彦根市にあった彦根藩の2代藩主の井伊直孝が出会った1匹の猫にあります。
この猫は、豪徳寺の猫だったそうなのですが、その猫が直孝が荒天に遭う直前にお寺に導いてくれたおかげで、直孝は、荒天に遭うことを免れ、かつ、豪徳寺の和尚さんのありがたい法話を聞くことができたのだそうです。
そして、そのことがきっかけとなり、豪徳寺は、井伊家の菩提寺となりました。
さらに、その和尚さんが、直孝を導いたその猫が死んだ後に、墓を建て、この猫にあやかって猫が手招きする像を作り、それが招き猫になったと言われています。(ただし、招き猫の発祥には諸説あります。)
◯招き猫の発祥についてもっと見る
→招き猫ってそもそも何?発祥は豪徳寺?今戸神社?秘密を徹底検証!
ひこにゃんのモデルも豪徳寺の招き猫
ゆるキャラブームの火付け役になったことで有名な「ひこにゃん」も、実はこの豪徳寺の招き猫にあやかってデザインされたそうです。彦根でなぜ猫なのかという疑問への答えは、滋賀ではなく東京にあったのですね。
◯ひこにゃんのプロフィールを見る
このエリアで私は、恐らく一生分の招き猫を見た気がします笑
招き猫のパネル
こちらは、豪徳寺の受付です。
建物の正面には、招き猫のパネルが設置されていました。
こちらの受付では、おみくじができたり、絵馬などが買えたりします。
戸を開けて入るのは、ちょっと勇気いるかもですが、中は、事務所のようになっていて、お寺の方が数名いらっしゃいました。お守りなどを少し見学させてもらいました。
招き猫の自動販売機
敷地内には、招き猫のデザインの自動販売機もありました。
この自動販売機で飲み物を買うとちょっとご利益ありそうですね。
最後に
豪徳寺の情報
営業時間:
◯春彼岸中日〜秋彼岸中日:
開門6:00〜18:00(受付8:00〜17:00)
◯秋彼岸中日〜春彼岸中日:
開門6:00〜17:00(受付8:00〜16:30)
※年中無休
電話番号:03-3426-1437
- 公式(豪徳寺 | 世田谷区ホームページ)
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